ドイツ工房見習い修行 ~2011年秋・出張報告 Part2

前回の記事で、ドイツにおける職人の工房見習いがどのような位置にあるのかをみてみましたので、今回は実際に卒業生の手戸さんのドイツでの生活を追ってみたいと思います。

留学を検討する場合、はじめは誰でも海外の生活に不安を感じるものですがこちらの記事を見て頂ければ、いくらか現地での生活のイメージももっていただけるかもしれません。


ロマンチック街道、北の起点


手戸さんが職業研修(Ausbildung)を行なっているのはWurzburgという楽器メッセでも有名なフランクフルトから高速鉄道で1時間半ほどのドイツの地方都市です。
バイエルン州に属し、フランケン地方の主要都市と言われるWurzburgは観光で有名なロマンチック街道の北の起点でもあるそうです。
今回、私がイタリアModomusica(弦楽器の商業フェア)での用事を終えて、1日がかりでWurzburgに着いたのは日も傾く夕刻でした。

翌朝、早速手戸さんにWurzburgの町とふだんの生活を案内してもらいました。

案内のルートですが、まず真っ先に家を訪問させていただき、そこから勤め先の工房までの通勤路をたどりました。


左の白い家がドイツ人とシェアしている家です
(道に立つのが今回案内をしてくれた卒業生の手戸さんです)


手戸さんが住んでいた家は工房がある中心街から自転車で10分程度の高台にある線に囲まれたアパートでした。


ドイツでの住まい選びのコツ


手戸さんに案内をしてもらいながら、どのような基準で住まいを選んだか尋ねてみました。
ポイントは
-シェアをする場合など、ー絡に住む人と気が合うかどうかということ。
-衡の中心でなくても、緑が多いところ。
-安全であること。
などでした。
確かに、住まいを案内してもらうと自転車でももちろんですが、徒歩でいける範囲にスーパーマーケットなどもあり、街の中心までも歩いてもいける程度の距離にもかかわらず、緑は多く、とても閑静な住まいでした。

住む人しかわからない(?)実際の様子を少しお届けしたいと思います。


同居人(?)には、猫もいます
(同居人の方が飼っているそうです)

住まいでは猫がお出迎え。とてもひとなつっこいかわいい猶ですが、家を見学させてもらっている聞にも手戸さんの部屋のカーペットで爪を研ぎ始め、部屋の外に放り出されていました。とにかく誰にでもなついて、あちこち飛び回るアクティブな猫でした。
(一度、パソコンの上に飲み物をこぼされ、パソコンを壊してしまったこともあったとか…。
住まい遊びには、猫の性格の見極めも必要かもしれませんね)


部屋の様子も少しだけ・・・
共同で使う台所の小窓からの眺め

窓に近づくと隣家の屋根を隔てて
町を見下ろす城塞が遠くに見えます

ほとんどの仕事を工房でこなすので、家の作業は少ないのですが、それでもそこは職人、小さな作業台はしっかり備えています。住まい選びも簡単ではなさそうですが、今回見せてもらった様子では、納得できる住まいを選べたようで安心しました!


街の様子


その後は、アパートを出て、通勤路を案内してもらいました。
家のある住宅地の緑の中から、坂を下っていくと街に入って行きます。

通勤路の坂を振り返り写した街の様子
ドイツでは自転車道の5整備が行き届いているところが多いです

坂を降り切ると、そこには悠々と流れるマイン河がありました。


マイン河、その向こうがWurzburgの中心街工房へ行くには河にかかる橋を滋ります

マイン河を渡り、中心街と工房へ続く旧マイン橋教会の尖塔の下あたりに工房があります

ここからまっすぐ、工房に行ってもよかったのですが、高台にあるマリエンベルク械塞にいったん立ち寄り、街の概要を見せてもらうことにしました。


橋の上から見たマリエンベルク械塞
城塞のまわりはワイン畑に固まれています


ドイツの木の文化


マリエンベルク械塞の中にはドイツが誇る木彫家として名高いリーメンシュナイダーの木彫が展示されています。
こうした歴史と文化の豊かなところで修行が積めるのは弦楽器技術者として何よりの糧となることでしょう。


毎日の食事


マリエンベルク械塞を後にしてからは工房に向かう途中で、ふだん手戸さんが仕事の合間にお昼ごはんのバンを買っているバン屋さんに案内をしてもらいました。

奥が城塞、写真手前左の建物の1階がパン屋で、同じ通り沿いに工房もあります


パン屋の様子、大賑わいです

美味しそうなドイツ・パンが並んでいます!

このパン屋でパンを買いすぐ、近くの公園で食べるのが日課だそうです。
その近くの公園とは、世界遺産にも登録されているWurzburgの誇るレジデンツと呼ばれる昔の司教の館の庭園です。

レジデンツ前景(大きすぎて写りませんが、庭園はこの後ろにあります)
さて、今回で肝心の工房に行き着きたいと思っていたのですが、長くなってしまったので、工房の様子は次回でまとめてお伝えしたいと思います。
今回の出張中、手戸さんとはイタリアでも会っていたのですが、手戸さんはイタリアの弦楽器商業フェアであるMondomusicaの参加日数を1日削って、先にドイツに戻り案内にあたってくれました。
この場を借りてお礼を伝えたいと思います!

それでは次回、Part3ではドイツ語の上達した手戸さんに案内していただいた工房訪問を中心に取り上げたいと思います。