DRUM TECH STORY第6話“ドイツツアー”

6話01
ある日のこと1件の連絡が入って来た。
ドイツの友達からで「ラテンジャズバンドを編成しているんだけど、パーカッショニストとして演奏しに来ないか?」
なんとドイツツアーだ!もちろん断る理由などない。
すぐに「行くよ!」と返事をして準備に取りかかった。

ドイツへ到着すると現地ミュージシャンとリハーサルを数回こなしツアーに出た。
今回は演奏の他にドラムテック任務もあった。ドラムの組み立て、チューニング、演奏を繰り返しながらツアーは進んだ。
伝統あるジャズクラブから、街のカフェ、高級リゾートホテル主催のジャズフェスティバルなど沢山演奏してまわった。
それは忘れられない素晴しいツアーとなった。

そんな中、ドイツの大手ドラムメーカーの本社工場を見学出来ることになった。
僕が1度は見たいと思っていたドラムの製造工程、まさに願ったりかなったりだった!
友達と僕のために担当者は一挙に製造工程見せてくれた。
厳重に管理された木材倉庫~最終仕上げ~出荷準備まで驚きっぱなしの連続だった。
最後に試奏ルームでピカピカのドラムを沢山試奏しながら隣の小部屋にふと目をやると、古いドラムセットが!
「これは一体?もしやこのメーカーの初期のドラムセットじゃないか!」もちろん近くに寄って観察を始めた。 
相当古い・・・シンバルには修理済みの箇所、華奢な金属パーツがドラム本体を支えて立っていた。誰かが修理復元したのか・・・凄い。

帰り道、友達が「シゲキ、割れたシンバルを修理できるのか?」と尋ねてきた。
「もちろん!修理工具さえあれば出来るんだけど、この辺に工具店はあるかな?」と答えると早速付近のホームセンターに車を停め、シンバルの修理に使えそうな道具を手に入れガレージで修理を始めた。
ほどなくして修理は完了し、シンバルは無事に良い響きを取り戻した。
6話02
「ついでにこのアフリカの打楽器もなおるかな~?」と友達は見たことも無い大きな打楽器の折れた足を指差した。
格闘の末、壊れている部分を何とか応急処置した。

演奏の合間は、山間の学校で特別講師として子供達にドラムを教え、スタジオでレコーディングし、個人楽器店主催の演奏会に参加するなどの活動を楽しんでいた。
そしてツアーは最終日を迎えた。最後の演奏後、地元ドイツのビアガーデンで祝杯を挙げ明け方まで話し込んでいた。
音楽の事、ドラムの事、生活の事、家族の事、国の事、これからの事など話はつきなかった。
一緒にキャリアを重ねていく仲間がいて本当によかったと思った。
「またいつか会おう、元気で!」と友達と別れ、日本へ帰国の途についた。