南ドイツ・北イタリア研修旅行④ミッテンヴァルト (Tonholz Kreuzer)

研修旅行の実質初日は、南ドイツ・バイエルン州の静かな山村、ミッテンヴァルトから始まりました。
ミッテンヴァルトは、バイオリンクラフト&リペア科にとっては初めての訪問でした。
弦楽器製作者でもなければ、耳慣れない町という方も多いでしょう。研修の様子をお伝えする前に少しだけ、季節ごとの美しい色彩を見せるミッテンヴァルトについてふれておきたいと思います。
VC-tt-DSC07453
ミッテンヴァルト(Mittenwald)は現在、オーストリアとの国境近くに位置するドイツの中でも最南端の町のひとつであり、よく知られたリゾート地でもあります。

かなり古くから交通の要所としてあったようですが、文書にその名前が登場するのは11世紀と言われています。
さらに14世紀にはミッテンヴァルトの市場と記され、交易が栄えていた様子がうかがえます。

ミッテンヴァルトが私たち弦楽器技術者に注目されるようになるのは、さらに時代を進み17世紀になったころですが、1685年頃にMatthias Klotz (マティアス・クロッツ)という名の弦楽器製作者がミッテンヴァルトに弦楽器製作をもたらし、マティアス以後もクロッツ・ファミリーがミッテンヴァルトの町に弦楽器製作による興隆をもたらすこととなります。

VC-tt-DSC07465
(町中に今も立つKlotz像)

今ではクロッツの時代ほどバイオリンで溢れかえる情景はないもの、州立の弦楽器製作学校を有し、多くの若い優秀な技術者を現在も輩出しているアルプスの中の美しい村です。

まずミッテンヴァルトのまちはずれにあるTonholz Kreuzer (トーンホルツ クロイツィァー)という名前の弦楽器製作のための木材を扱う製材所を訪問します。

今回の案内と通訳は、Würzburgから駆けつけてくれた卒業生の手戸さんが引き受けてくれました!

VC-tt-DSC06931

所長のKreuzerさんは、長年この仕事に携わってきた方で、現在は定年を迎えているものの、今でも楽しみとして製材を続けておられます。

Kreuzer さんは日本からはるばる来たことを大変歓迎してくださり、午前中をかけて大変熱心に木材についてのレクチャーをしてくださいました。製材された様々な木材を見ながらの講義は大変、勉強になりました。
VC-tt-DSC06943
その後、皆で木材をじっくり探せていただくことに。
VC-tt-DSC06976
製材所の中は、外の雪のせいで冷蔵庫の中のようでしたが、良質の木材が揃っていることもあり、皆目を皿のようにして木材を見ていきます。
VC-tt-DSC07018
最後にKreuzerさんから、「弦楽器製作はすばらしい仕事です。ぜひがんばって弦楽器製作者になってください!」という言葉を皆にいただきました。
Kreuzerさんもぜひまだまだお元気でお仕事を続けください!

Tonholz Kreruzer の様子、少しでも伝わりましたでしょうか。
午前いっぱいを製材所で過ごしましたが、予定よりもたくさん説明をいただき、時間を多く過ごしたため、午後はすぐにミッテンヴァルトの町中にあるバイオリン博物館に立ち寄りました。
次回、博物館の様子をお伝えしたいと思います!