製作家・菊田浩氏、高橋明氏来校

2016年11月4日~6日に日本弦楽器製作者協会が主催した弦楽器フェアが無事終わり、学科全体が一息つきました。
久々に投稿をさせていただきます。

今日はイタリアで活躍を続ける弦楽器製作家・菊田浩氏と高橋明氏が学校を訪れてくださいました。
菊田氏と高橋氏については改めてここで皆さんにご紹介する必要もないかもしれません。新作と呼ばれる楽器を作る製作家としては日本人でトップレベルの腕前をもつ製作家です。
ふだんはとても柔和なお二人ですが、過去にはチャイコフスキーコンクールや、ヴィエニャフスキーコンクールなどの弦楽器製作部門など、名だたるコンクールで優勝~入賞を飾ってきた猛者でもあり、手工品としての楽器製作によって生計を立てている文字通りの製作家です。

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今回は弦楽器フェアへの出展をさせていただいた本科2年生の楽器を直接見ていただいたり、まだ製作中の1年生の楽器へのアドバイスをしていただくとともに最近のイタリア事情を交えた質疑応答の時間もいただきました。
また弦楽器フェアではなかなか間近にゆっくり見ることができなかったお二人の製作された楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ)を持ってきてくださり、手に取って見ることができました。

質疑応答の場面では、「イタリアで生活しながら弦楽器を売るのと、日本に戻ってきて弦楽器を製作し売っていくのでは違いがありますか?」などという鋭い質問も学生から飛び出しましたが、これまでの経験からお二人の考え・見方を話してくださり、非常に参考になったのではないかと思います。

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(質疑応答に応じてくださる菊田浩氏・左と高橋明氏・中央)

共同で工房を営むお二人ですが、弦楽器製作に取り組むスタンスはそれぞれ独自のものをもっており、必ずしもすべてが一致しているわけではない、というお話も出てきました。しかし、それでも工房を共有しながら仕事に取り組んでおられるところに、かえってそれぞれのもつプロ意識の高さを感じました。弦楽器製作という仕事は、とてもパーソナルな側面のある仕事なので、違う考えや方向性を持つと協働がうまくいかないようにも考えられますが、菊田氏と高橋氏の場合にはむしろその差異を糧としてお互いに腕を磨かれてきたのではないでしょうか。

お二人のコンクール入賞歴などを見ると、とても華々しい世界のように感じられるかもしれませんが、じかに会って話を聞いてみると、ご両人の人柄から感じられるのは地に足のついた楽器製作への実直な姿勢であると思います。
日本人の作る弦楽器が近年では世界でも評価されるようになってきています。ヨーロッパ・ブランドのイメージが強く残る世界でそうした道を切り開いた数少ない製作者の中にお二人がいることは間違いないでしょう。コツコツとよい楽器を作り続ける姿勢を私たちも見習い、よい仕事を積み重ねていけるようになりたいと改めて思いました。

最後になりましたが、フェア直後の疲れも多い時に時間を割いて後進の指導に時間を当ててくださり、本当にありがとうございました。今後のご両人のさらなるご活躍を応援しつつ、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。

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