Emilio Slaviero氏 モダン・バロック弓製作セミナーを開催

弦楽器フェア開催後、翌日の11月7日にイタリア弓製作の第一線で活動をされているEmilio Slaviero氏により「モダン・バロック弓製作セミナー」が、当校弓製作コース講師の糟谷先生立ち合いのもと実施されました。

Emilio Slaviero氏は、イタリアの弓製作家の中でも第一人者として名前をよく知られた製作家であり、作る弓は世界中で愛好されています。

講義のメインテーマは製作方法の比較でした。
弓作りに興味を持たれた方ならば、弓の製作方法に関する詳細な資料や文献が決して多くはないということをご存知と思いますが、特にバロック弓に関する製作方法はなかなか書籍からもうかがい知ることが難しいため、今回はバロック時代(※正確にはルネサンス期~バロック前後期~モダンへの移行期)に関する弓の構造の変遷から、バロック弓と呼ばれる種類の弓の作り方の概要を知り、モダンのそれと比較する機会となりました。

弓製作プレゼンテーション
(スライドと動画を使い、工程を説明)


(セミナー後に来場者の弓を見るSlaviero氏)

バロック弓のscanalaturaの技法など、装飾と機能性を兼ね備えた工法には参加者からも多数の質問があがっていました。

セミナーもおかげさまで30名以上の参加者にめぐまれ、次回の開催へと弾みがついたように思います。
弓製作の世界はまだまだ知られているとは言えませんが、こうしたセミナーをきっかけとして弓製作の魅力に気づいていただける方が増えるとよいと願っています。
また、来年は、個別のテーマに沿って深掘りしたセミナーが開催できればうれしいです。

弦楽器フェアでの疲れもものともせずにセミナーを実施してくださったマエストロSlavieroにはこの場を借りて感謝申し上げます。

Emilio Slaviero プロフィール

クレモナ生まれ。1982年ロンバルディア州立専門学校を卒業。同年にクレモナに工房を開く。1982年~1992年、母校にて教鞭をとる。旺盛な探求心から、ドイツに赴いてはGrunke ファミリーの元で製作技術を学び続けた。1988~1992 Festival Tibor VARGA a Sion(スイス)における、公式弓技術者として世界中の著名な演奏家の弓の修復・メンテナンスに当たる。1990年にはフランスの弓鑑定の第一人者 Jean-Francois Raffin との親交も始まっている。製作家としては極端にパーソナライズされたモデルは使わず、1800年代の偉大なフランスの製作者達のスタイルを追求している。また、何世紀にも渡る様々な音楽の演奏方法への勉強を通し、バロック期から現代弓への移行期を含めた様々なスタイルの弓をアイアンウッドやスネークウッドなどの希少材を使い製作している。現代イタリアを代表する弓製作者の1人として、作品はトッププレーヤーはじめ世界中の演奏家に愛好されている。

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