ロレンツォ・フリニャーニ氏によるセミナー開催される

『北イタリア、エミリア・ロマーニャ州における1800年代末~1900年代初頭の
弦楽器製作の沿革と現代製作家への影響』

講師:Lorenzo Frignani
A.L.I. イタリア弦楽器製作者協会副会長
A.L.A.D.F.I. フランス弦楽器・楽弓技術者協会員

日程:2006年11月12日(日)15:00~

 11月12日(日)、専門家向けプロフェッショナル・コースの第一回として、ロレンツォ・フリニャーニ氏を招いた講演会が行なわれました。

 内容は様々な商業的、政治的要因により日本においてはまだほとんど知られていないモダン・イタリーの弦楽器製作史とその背景についてです。

 1750年代以降、クレモナの弦楽器製作が衰退していった後にイタリア弦楽器史において第二のイタリア弦楽器界の黄金期を迎えたのが、エミリア・ロマーニャであったという言い方も人によってはされるほどエミリア・ロマーニャ州の製作事情がその周囲に及ぼした影響範囲は小さくありません。

 フリニャーニ氏はピエーヴェ・ディ・チェント、パルマ、そしてボローニャという現代イタリア製作事情の前身を形成した多くの製作者たちの活動の様子を、当時の社会状況を踏まえながら講演されました。

 書籍などに書かれている製作者の系譜図などだけでは、分かりにくいそれぞれの製作者の影響力の違いや、やはりこれまで描かれることほとんどなかった製作者間のコラボレーションや関係などにも触れたので、今回のセミナーは製作者のみならず楽器を売買する立場にある方、楽器を購入する立場にある演奏家の方にも間違いなく興味深い内容であったと考えられます。



セミナーの様子

 初めての試みではありましたが、会場内は静かな熱気に包まれ、参加者の方々からの非常にレベルの高い質問も聞くことができました。
 参加された方々には、現役の弦楽器製作者の方々から、ディーラー(販売店)の方々、またプロの演奏家の方など、すでにある程度の経験をお持ちながら、向学心にあふれた方々ばかりで、中には果敢に参加された弦楽器技術専門校の学生さんもおられました!

 今回は、フリニャーニ氏も初来日ということで、なかなかゆっくりと打ち合わせができない中での開催でしたが、今後は参加いただいた方々のご意見にしっかり耳を傾けつつ、よりよいコース作りができるのではないかと当校バイオリンクラフト&リペア科の講師陣も期待を寄せております。

 閉会後、フリニャーニ氏からは今後のプロフェッショナル・コースの展望に関する様々なアイデアをいただきましたし、すでに来年以降のセミナーを広い視野をもって進めていくことができる手応えを得られました。

 ご参加いただいた皆様、遠方からもお越しいただき、誠にありがとうございました。今後とも皆様のご期待に沿えるようなセミナーを続けていきたいと願っております。



講師を囲んで参加いただい受講生の方々と記念撮影