第4回レポート
「エッジやコーナーの割れ修復]

10月から開講したプロイス氏の講義も今回で4回目となりました。
講座の内容は楽器本体に戻り、今回はエッジ部分の修復についてです。

エッジとは

エッジとは表板・裏板の外側のラインがある数mmの部分をさします。
ここはリブ(横板)から少しせり出しており、バイオリン属ならではの特長の1つだと言えるでしょう。同じ弦楽器でもビオールやギターにはこの特徴は見られません。
このせり出した部分は音への影響力はもちろんですが、楽器本体へのダメージを防ぐ役割、修理をしやすくする仕組みなど、いろいろな機能を持っています。

例えば、万が一楽器を何かにぶつけたとき薄いリブは簡単に割れてしまいますが、表板・裏板がせり出していることで直接当たる危険性を下げてくれています。
また楽器を内側から修理しなくてはいけない場合は、まずパレットナイフなどを用いて表板や裏板とリブの接着面にナイフを入れ外していくのですが、この作業時に損傷を少なく抑えることができるのはこのエッジのおかげだと言えるでしょう。

(エッジが摩耗した表板)

エッジ修理をする理由

しかし、これらのメリットは裏を返すとエッジ自体がダメージを受けやすいということでもあります。
事故による急な損傷が起きる危険性に晒されていることはもちろんですが、日常使用でも徐々にすり減っていくこと自体、珍しくありません。
損傷してしまった状態を放置すると他の部分へのダメージ(パーフリングやリブ)に繋がってしまいますので、あるタイミングで新しい木を足し直し修理をしなくてはいけません。ただし、この部分は目に晒されやすい部分であり楽器のアウトラインを整形している箇所なので目立たない修理が望まれます。

講義の内容

今回の講義、プロイス氏はエッジの場所や状態によってどの様な修理が望まれるか、注意点は何か、といったことを確認しながら進行させていきました。

説明は要約すると以下4つのパートに分けられます。

①修理箇所による消耗や使用状態で把握すべきこと
②どの様に接着面を作っていくか
③木の継ぎ足し・接着の手順
④足す木材を目立たくなくするためにできる工夫

今回も実演を中心にそこから話が発展していき、実演した以外の場所や方法にも説明は及びました。
オリジナルを温存しつついかに効率よく目立たず修理するか、という課題に対してプロイス氏が用意するちょっとした工夫、アイディアは勉強になりますね。

最後にはハーフエッジと呼ばれるエッジ部分の厚みを直したり、音響面での改善を測るための修理について少し言及がありましたが、これについては第6回目の講座で実施する予定です。