バイオリンクラフト&リペア科

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Andreas Preuss 氏による修理・修復講座
(専門家向け)

ベテランの技術者Andreas Preuss 氏による公開講座です。2015年10月から毎月行われている講義です。
ヴァイオリンの修理修復を学ぶセミナー

弓製作コース(予約制)

楽弓の製作が学べます。予約制なのでスケジュールを調整しながら進めていくことが可能です。
楽弓製作が学べる教室

Violin Craft & Repair Course

バイオリン製作から修理まで~多くの技術者を輩出してきた確かな実績

バイオリンクラフト&リペア科はバイオリン製作と修理、さらには弓の製作・メンテナンスなど、弦楽器に関するあらゆる技術と専門知識をワンストップで学べる学科です。
指導はイタリア、イギリス、国内の専門店などで長年にわたる仕事をしてきた講師陣が行い、環境は国内の学校では珍しい弓やコントラバスの製作・修理まで扱える設備を備えています。
多くの卒業生が製作・修理のスペシャリストとして国内~海外のフィールドで活躍の場を得ています。

弦楽器技術を総合的に学ぶ

Features

学科の特長
1

充実した授業時間と講師陣

年間1090時間という職業訓練校としては屈指の充実した授業時間をもちます。また、講師陣は国内はもとより、イタリア、イギリスなど様々な環境で製作・修理を経験してきた常勤の講師と独立工房を営む技術者で構成されており、世界に通じる高いレベルの授業を展開していることが特徴です。

授業は1年1090時間
2

様々な弦楽器製作・修理に対応できる環境

バイオリンからコントラバスまで、あらゆる弦楽器や弓を製作・修理するための設備を揃えています。これらの環境は授業の中で活かされ、仕事につなげていくための内容を実践的に学ぶことを可能としています。また、学生は放課後・休日などにも、これら学校設備の一部を使用することができます。

バイオリン~コントラバスの製作・修理に対応
3

技術+知識+演奏×コミュニケーション

本科は現場の技術者に必要な資質を総合的に身につけることを重視しています。そのため、入学後は授業における対話や意見交換の場を通して、要望を聞いたり提案するために必要なコミュニケーション能力を磨くことも日常的に実践していきます。また、技術者としての高い倫理性とユーモアを持ち合わせていくことも重視しています。的確な「技術」は、コミュニケーションに裏打ちされてこそ生きるものだからです。

技術者の力を総合的に身につける
4

応用と判断力を学ぶ3年制

バイオリンクラフト&リペア科は2年制と3年制を併設しています。3年制では2年次までに修得した技術力を発展させ、より難易度が高い技術であるチェロ・コントラバスなどの大型弦楽器、バロックバイオリンの製作・修理、製作以上に時間のかかる修復・修理などから選択し取り組むことができる独自のシステムです。
* 3年制は、現在、入学時と1年次修了時に選択ができます。

2年制・3年制が選択可能

Curriculum

カリキュラム

進路先の現場で求められる基礎と専門性の習得を目指します

カリキュラム例(*1)

1年次2 年次
製作・木工基礎I:刃物の仕立てと研ぎ
・木工基礎II:基本工具の使用方法とメンテナンス
・製作実習I:テンプレートと治具の製作
・製作実習II:ストラディバリモデルを用いたバイオリン製作
製作・塗装知識I:シェラックニスに使われる材料とレシピ
・塗装実技I:シェラックニスと下地の作成
・塗装実技II:楽器への下地処理と塗装
・塗装実技III:塗面の最終仕上げ
・製作実習III:内型デザインから行う楽器製作(バイオリン・チェロ) (*2)
講義・弦楽器入門I:擦弦楽器の歴史
・弦楽器入門II:バイオリンに使用される木材とその性質
・製作知識I:バイオリンの構造と各部の機能
・製作知識II:バイオリンのセットアップ
・道工具知識I:手道具の種類とその用途
・道工具知識II:ボール盤とグラインダーの取扱い
リペア・セットアップI:バイオリンのメンテナンス
・セットアップII:駒・魂柱・ナット・ペグ等の交換と調整
・楽器修理I:ネックの角度調整を含む修理
・楽器修理II:割れの修理
・楽器修理III:ボタンの修理
・楽器修理IV:ブッシング修理
・弓修理I:毛替え
・弓修理II:パーツの補修
・コントラバス修理I:大型楽器の取扱いと修理
演奏・バイオリン演奏講義・機械知識II:バンドソーとディスクサンダーの取扱い
・塗装知識II:リタッチ概論
・店頭知識I:主要な弦・小物の種類とその性質
・店頭知識II:分数楽器の寸法と特長
・店頭知識III:修理受付とドキュメンテーションの作成
その他・院外実習演奏・チェロ演奏
その他・特別授業・院外実習
・自主プログラム:個別計画に基づく実習
3年次 (*3)
製作・製作実習IV:楽器製作(バイオリン・ビオラ・チェロ・バロック楽器) (*2)
・塗装実技III:オイルニスによる塗装
・塗装実技IV:アンティーキング技法
リペア・セットアップIII:セットアップ・調整(バイオリン・ビオラ・チェロ)
・楽器修理IV:魂柱パッチ
・楽器修理V:ダブリング
・楽器修理VI:ネックグラフト
・弓修理III:毛替え・パーツの補修
・コントラバス修理II:大型楽器の取扱いと修理
講義・弦楽器応用I:製図による楽器の設計
・弦楽器応用II:楽器撮影の手法と評価
・弦楽器応用III:録音の手法と音の評価
・塗装知識III:オイルニスに使われる材料とレシピ
その他・特別授業・院外実習
・自主プログラム:個別計画に基づく実習
1年次
製作・木工基礎I:刃物の仕立てと研ぎ
・木工基礎II:基本工具の使用方法とメンテナンス
・製作実習I:テンプレートと治具の製作
・製作実習II:ストラディバリモデルを用いたバイオリン製作
講義・弦楽器入門I:擦弦楽器の歴史
・弦楽器入門II:バイオリンに使用される木材とその性質
・製作知識I:バイオリンの構造と各部の機能
・製作知識II:バイオリンのセットアップ
・道工具知識I:手道具の種類とその用途
・道工具知識II:ボール盤とグラインダーの取扱い
演奏・バイオリン演奏
その他・院外実習

2 年次
製作・塗装知識I:シェラックニスに使われる材料とレシピ
・塗装実技I:シェラックニスと下地の作成
・塗装実技II:楽器への下地処理と塗装
・塗装実技III:塗面の最終仕上げ
・製作実習III:内型デザインから行う楽器製作(バイオリン・チェロ) (*2)
リペア・セットアップI:バイオリンのメンテナンス
・セットアップII:セットアップと調整
・楽器修理I:ネック落ちの修正 
・楽器修理II:割れの修理
・楽器修理III:ボタンの修理
・楽器修理IV:ペグブッシング
・弓修理I:毛替え
・弓修理II:パーツの補修
・コントラバス修理I:大型楽器の取扱いと修理
講義・機械知識II:バンドソーとディスクサンダーの取扱い
・塗装知識II:リタッチ概論
・店頭知識I:主要な弦・小物の種類とその性質
・店頭知識II:分数楽器の寸法と特長
・店頭知識III:修理受付とドキュメンテーションの作成
演奏・チェロ演奏
その他・特別授業・院外実習
・自主プログラム:個別計画に基づく実習

3年次(*3)
製作・製作実習IV:楽器製作(バイオリン・ビオラ・チェロ・バロック楽器) (*2)
・塗装実技III:オイルニスによる塗装
・塗装実技IV:アンティーキング技法
リペア・セットアップIII:セットアップ・調整(バイオリン・ビオラ・チェロ)
・楽器修理IV:魂柱パッチ
・楽器修理V:ダブリング
・楽器修理VIネックグラフト
・弓修理III:毛替え・特殊パーツの補修
・コントラバス修理II:大型楽器の取扱いと修理
講義・弦楽器応用I:製図による楽器の設計
・弦楽器応用II:楽器撮影の手法と評価
・弦楽器応用III:録音の手法と音の評価
・塗装知識III:オイルニスに使われる材料とレシピ
その他・特別授業・院外実習
・自主プログラム:個別計画に基づく実習

*1 授業の内容は予告なく変更することがあります。
*2 チェロ製作など2年生授業の一部には3年次進級が前提となるものがあります。
*3 3年次カリキュラムの一部は選択制となります。

製作(製作基礎・製作実習・塗装実技)

入学後は、支給工具の仕立てから始まり、その後、バイオリン製作を学びながら、様式美や構造の理解を深めていきます。2挺目以降の製作では、任意でビオラやチェロの製作に取り組むことも可能です。
* チェロ、ビオラ製作は3年次進級が要件。

バイオリン製作バイオリンニスに使われる道具

修理(セットアップ・楽器修理・弓修理・コントラバス修理)

2年次からは毛替えやセットアップなど、現場で頻度が多い技術の反復を繰り返しながら、コントラバスなどの大型楽器の扱い、割れ・塗装剥がれ・ネック下がりなどの修理が必要となる状況への対処を1つ1つ学んでいきます。修理の心がけとして必要である修復(保存)の観点を身につけることも重視します。

楽弓毛替えバイオリン割れ修理

講義(弦楽器入門、製作知識、塗装知識、機械知識、店頭知識)

1年次は楽器史、材料、工具等の知識、2年次以降は店頭知識、製図、塗装知識、機械工具、撮影、音調整などの授業を実施します。

ストラディヴァリ型の講義

演奏(バイオリン演奏・チェロ演奏)

1年次はバイオリン演奏、2年次ではチェロ演奏を学びます。授業は各自のレベルに合わせて行なわれ、弦楽器技術者として調整に必要なレベルの修得を目指します。
* バイオリンやチェロを持っていない場合は無償貸し出しを行っています。

バイオリンとチェロの演奏レッスン

特別授業・院外実習

院外から講師を招いての講義、学外の企業・工房の訪問など、視野を広げるための授業も実施しています。さらに放課後の時間を使って様々な実験的な試みに、有志の学生と講師が一丸となって取り組む「エクステンション・プログラム プラス」も年間を通じて幾つか実践されています。

ニスに関連が強い画材メーカの見学

自主プログラム

2年次後期からは、各自で学習計画を立て、授業内で他のカリキュラムと並行して課題に取り組んでいく期間を設けています。自ら決めた課題を自分の力でコントロールすることを意識することで、卒業後の進路や、現場での実務に備えます。

選択課題の1つバイオリン製作の製図
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ミラノの学校との提携

卒業後の留学を支援するため、イタリアにあるミラノ市立弦楽器製作学校(Civica Scuola di Liuteria di Milano)と提携。島村楽器テクニカルアカデミーの卒業資格で同校(4年制)への編入が可能となります。編入することで、バイオリンクラフト&リペア科で学ぶ実践的な技術・知識に加え、さらに、古楽器などの歴史的研究などに取り組むなど、学習の幅を広げられます。
* 編入には現地の語学力を要する試験があります。
* 応募人数の状況によっては、すべての出願者が編入できない場合もあります。

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弦楽器フェアへの出展

弦楽器を扱う展示会としては国内最大規模であり、バイオリン技術者も多く集まる弦楽器フェア(日本弦楽器製作者協会主催)、に創立時より出展を続けています。学生はこのタイミングで、授業中に製作したバイオリンの展示を行い、また、任意で会場各所での手伝いに参加しています。出展する側の立場に回ることで、卒業前からサービスを提供する側としての心構えを身につけていくことを意識します
* 出展内容は年度によって異なります。
弦楽器フェア

Contents

学科をもっとよく知る

講師高倉の雑記帳
(Non ce la faccio piu!)

バイオリンクラフト&リペア科がもうすぐ開講10年を迎えようとしています。こちらでは、日々の雑感とともに弦楽器の製作・修理にまつわることを少しずつアップしていきたいと思いますので、時々のぞいてみてください。
ヴァイオリン製作・修理を教える主任講師の雑記

VOICE卒業生

バイオリンクラフト&リペア科
高瀨 光さん

私にとってこの学校は、一人の人間として成長させてくれる場です。
先生方は技術だけでなく、様々な視点からアドバイスをしてくださいます。
私自身も広い視野を持って進んでいけるよう日々努力しています。
その他にも、弦楽器製作・修理に必要な道具や資料など、学ぶ環境が整っているところも魅力の一つです。
この環境に甘え、受け身になってしまわないよう、向上心を忘れず、自ら学ぶ姿勢を持ち続けていきたいです。
バイオリン製作に取組む在学生

Instructors

講師紹介
製作・修理を教える主任講師

髙倉 匠

弦楽器製作・修理を職業として目指すことは、最初は不安がつきものだと思います。
私たち講師も最初はそうでした。講師の中には、高校を卒業してすぐにこの道に入った人もいれば、会社員などのかたちで社会人としての経験を経てから転身した人もいます。子どもの頃から楽器に慣れ親しんだ人もいれば、大学生になってから始めた人や、弦楽器製作を志して演奏を始めた人もいます。バイオリンクラフト&リペア科も10年目を迎え、気付かされるのは、音楽と楽器が好きだという気持ちがあれば、道はあとからついてくるということです。新たにこの仕事を志される皆さんも、ぜひ忍耐と難しさの中にも喜びも多いこの仕事の醍醐味を見つけてみてください。

卒業後の進路

多くの卒業生が業界で活躍しています。

弦楽器技術者として活躍できる職場

*バイオリンの販売など接客等に興味をお持ちの方は、ぜひ楽器ビジネス科もご覧下さい。

総合楽器店

あらゆる楽器を扱う総合店では、技術力に加えて、お客様とのコミュニケーションも必要です。専門外の楽器に接する機会も多く、幅広い知識が求められます。

商社・卸売業

主に小売店舗向けにバイオリンや弓、及び関連商品を扱い、弦楽器業界の流通を担う仕事です。商品となる様に楽器を調整したり、業者からの修理依頼を請け負ったりします。

弦楽器専門店

弦楽器を扱うことに特化した楽器店です。演奏のプロが用いる様な価値が高いバイオリンを扱う場合もあり、専門性の高い技術が求められます。

独立工房

1人または少人数で工房を構え、弦楽器の修理や製作を行います。個人で経営を行う力量が問われ、強い責任感が要求されますが、喜びも大きい仕事です。

海外留学

専門分野をより学ぶため、卒業後に海外のバイオリン技術学校への留学をすることができます。学科の講師陣には留学経験がある者が多いため、興味のある方はご相談ください。

海外就職

海外のバイオリン工房に就職する場合は就労ビザが必要となります。高い専門性はもちろん、語学力など、+αの能力を証明できる実力が必要になります。

バイオリンクラフト&リペア科、卒業後の進路先

(株)アルシェ
(株)イズタ・バイオリン
(株)ヴィルトゥオーゾ
(株)エスアイイー
(株)黒澤楽器店
(株)下倉バイオリン社
(株)JEUGIA
(株)タツノヤ商会
(株)日本ヴァイオリン
(株)山野楽器
(株)ヨシオ弦楽器
島村楽器(株)
(有)鈴木弦楽器
(有)バイオリンリサーチ
石田バイオリン工房
弦楽器工房アルモニア
リューテリアガン
プロイス弦楽器マイスター工房
カルミナ・ストリングス
Markus Lützel Geigenbaumeister
Scuola di Liuteria di Parma
Scuola Internazionale di Liuteria A. Stradivari
etc…(順不同)

VOICE卒業生

Liuteria-BATO 勤務 2008年度卒
西村 裕司さん

クラシック音楽が好きで、バイオリンを自分で作ってみたいと思ったのが出発点。製作を学べる学校を探すなかで、代官山音楽院の体験説明会に参加し、先生のバイオリンに対する真摯な姿勢に心を打たれました。この先生にぜひ学びたいと思ったのが入学の決め手です。授業が始まってみると、その先生に限らず、経験豊富で情熱にあふれている講師の方々が揃っていました。実習時間がたっぷりあり、整った設備のなかで、集中して作業に取り組んだ学校時代。2年という短い期間のなかで、しっかりと基礎を築くことができたと思います。
卒業後は地元・関西のバイオリン工房兼ショップに就職し、現在はバイオリン、ビオラ、チェロなどの弦楽器の調整や修理、製作を行っています。工房のオリジナル楽器を製作したり、主催するバイオリン製作教室で講師を務めたり。存分に腕を磨ける環境で、充実した毎日です。自分の作ったバイオリンをたくさんの人々に使ってもらい、演奏会で良い音色を響かせてもらうのが夢の一つです。
バイオリン技術者として活躍する卒業生
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